google広告

リサーチパネル

犬神家の一族 4K デジタル修復

2023年6月30日

思わず呟いてしまった

購入して即帰宅、即開封、即鑑賞してオープニングからその鮮やかさに呟かずにはいられませんでした。

https://twitter.com/Achebon/status/1589106049449357312

自分には特別な映画

実際には2021年12月24日に発売されていたわけですが、昨今、円盤から遠ざかっていたのでまったくスルーしておりました。痛恨の極みです。
人には特別な映画というのがいくつかあるかと思いますが、自分にとってはクリストファー・リーブの「スーパーマン」と市川崑監督と石坂浩二さん主演の金田一シリーズがそれに当たります。
特に第1作にして角川映画の第1作でもあるのが「犬神家の一族」なわけです(配給自体は東宝だったはず)。2作目の「悪魔の手毬唄」から以降4作は東宝自主制作映画でDVD化の時も犬神家の一族のみ角川から単体で東宝4作は別でDVD-BOXとなっていました。
たしか犬神家の一族のDVD化が2000年、東宝4作のDVD-BOXが2003年だったかと思います。
ブルーレイが発売されたのは知っていたのですが動画配信でHD版の配信もあっためスルーしていましました。
しかし今回のものは角川映画45周年を記念した4K化ということでたまたま書店併設の店舗の店頭にあった本作を発見し久々の円盤購入となりました。
長い付き合いの嫁は「あーー、まあ、それの購入は仕方ない」と、よく夫を理解していただいて感謝しております。

何が特別だったかというと

さて、いわゆる石坂浩二の金田一耕助シリーズがなぜに特別だったかと言うと日本の名探偵というと明智小五郎と金田一耕助なわけですがおっさんは小説の前に映像からインプットされた口です。
明智小五郎はおっさん幼少の当時、土曜日の21:00から土曜ワイドというドラマ枠があり「江戸川乱歩の美女シリーズ」なるドラマが放映されておりました。我が家は普段はTVは8:00までなのが土曜日のみはアンリミテッドというブースト枠が設けらていたのでよく見ておりその主人公が明智小五郎でありました。
なので、明智小五郎という存在は幼少の頃は自分には以下のようにインプットされていました。

  • ルパン3世ばりの変装の名人
  • 変装は顎からバリバリと剥がして、ワンタッチでスーツ姿になる人(所謂、ワンタッチスーツ)
  • とにかく両親と見ていると恥ずかしくなるほどおっ○いがいっぱい出てくるお話の主人公

これである。何を言っているかわからないと思う人はとりあえず見てみることをお勧めする。
とりあえず当時のテレビのエロとグロに対するレギュレーションの敷居の低さと、昨今では物理的どうにだとか、考証とか、リアルさとか野暮な発言が飛び出すであろうそれらをザ・松田ばりの「いんだよ細けぇことは!」というエンターテイメント全開というやつを知っていただけるでしょう。

おかーさーーんからの汚ねぇ花火のあれ

で、金田一耕助はというとこれまた同じころに古谷一行さんの金田一シリーズがドラマとして放映していたんですがどうも美女シリーズのほうを見ていたのか当時はさっぱり見た記憶がございません。
なので金田一耕助をまともに見たのはTBSの月曜ロードショーでの1978年の初回放送だと思われます。この時の番宣でまず犬神家の一族というと以下にあるこのシュールなこの風景と石坂浩二さん扮する金田一耕助が頭をボリボリ書いてフケが落ちる姿がすり込まれ、話題の映画なのでどうも月曜日なのに見せてもらえた流れっぽいとうっすら記憶に残ってます。

古い映画のためか各動画配信でもGレート(年齢制限なし)となっていますがもし新作で公開されたとすると今だと暴力、暴言、喫煙の3連発で多分確実にPG13あたりは狙えそうです。
要するに、血飛沫が飛ぶ映画とグロなシーンの耐性をつけるに至った作品がこの映画だったのです。
初見は石坂浩二さんの飄々とした金田一耕助と他登場人物のやりとりで引き込まれると共に第一の佐武殺害からの菊人形から転がり落ちる生首で衝撃を受け恐怖で手で目を覆ったことを覚えています。怖いんですが、先がどうしても知りたくてどうしても見てしまうという映画だったんですね。
これが自分にとって特別である所以です。
楽しいも、怖いも、悲しいも、苦しいも全部があってストーリーでありそれが物語なんだと初めて実感できたのがこの映画ではなかったかと思うわけです。

そして今回の「犬神家の一族」4K修復版は・・・

まず開封の儀でありますが、内容が豪華でした。
まずは箱、というか一体なんの箱だよという感じなシュールな装丁。

開けたら桐の箱でも出てきそうですわ

分厚い資料集が登場です。円盤のケースのデザインも今回は作品の中の独特なネガポジ反転演出のような感じです。
そして 4K UHD版のデザインはあのシュールなアレ。

ブルーレイと過去発売ソフトについた特典にプラス4K修復のドキュメントや初出の収録時の撮影現場のドキュメント映像を含めた特典DVD。
というかいまだに初出の特典があるとか今回はどんだけ発掘したんだと。
うーむ、発売されて1年、店頭での新品購入が叶ったのは幸いである。

ブラビアのパワーもあり改めて見入ってしまいました。

今回、ブラビア X95J で4K 60fps のフルパワーでの鑑賞となったわけですが買っててよかったよ、ブラビア。

つぶやきでも書いたとおり、オープニングの犬神家の玄関先、奥の襖の金箔がはっきりと確認できるのです。DVDの時ははっきり言って気づいてません。
そして佐兵衛臨終の一族が集まった部屋のシーンで襖に城が描かれていることにびっくり。
とにかく鮮やかで、本当に45年以上前の映画なのかと。正直、昭和など遙かな過去の若者に見せて最近のドラマと言ってもかつげるレベルではないでしょうか。
そのくせ、なんというかかつての日本映画のフィルム撮りという感じの独特の雰囲気はしっかりと残っているわけです。
印象から行くとかつてのDVD版は茶系のアンバーな色味が強かったですが、今回は少し青が強くシャープさが強調されて画面の輪郭がとにかくはっきりしたという感じです。
特に、先にも書いたネガポジ反転演出の時の白と黒の二色シーンですがこれもさらに輪郭がガッツリ浮き出るように見違えました。

この犬神家の一族の円盤はヘロヘロQカムパニーの舞台版のDVDと併せて家宝とする所存です。

声優 関 智一さんの金田一耕助も石坂浩二さん劣らぬハマりっぷりでスヨ